小林佑輔(平成26年卒)広島市立広島市民病院
後期研修期間 平成28年4月―平成30年3月 広島市民病院
平成26年卒の小林佑輔と申します。
この度はこのような寄稿の機会をいただきましたので、この場をお借りして近況をご報告させていただきます。
私は呉にある中国労災病院で初期研修終了後、循環器内科後期研修医として広島市立広島市民病院に
赴任し1年が経過いたしました。
私の勤務する広島市立広島市民病院は、広島市内の中核病院としての役割を担っております。なかでも虚血性心疾患に関しては、県内でも有数の急性冠症候群200例を含めた年間700例程度、経皮的冠動脈形成術(PCI)を行っております。また不整脈に関しては、心房細動を中心とした上室頻拍症や心室頻拍症に対しカテーテルアブレーションを行い、年間の症例数も300例を超えるようになりました。特に発作性心房細動に関しては、2015年より冷凍凝固心筋焼灼術(クライオアブレーション)を、2016年より高周波ホットバルーンアブレーションを県内でも早期に導入し、より安全により早く治療を行うことができ、従来の方法に遜色ない成績を収めています。デバイスに関しても年間150例を超え2016年には静脈リードの必要ない皮下植え込み型除細動器(S-ICD)の施設認定を県内でいち早く取得し、その他大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)など様々な分野で最先端の医療を提供しております。
現在、当院では後期研修医5名を含むスタッフ16名で診療に携わっておりますが、指導医1~3名に対し後期研修医1名が3か月毎にローテートを行うチーム体制を敷いております。そのため日常業務では分野ごと(虚血、不整脈・デバイス、重症心不全やTAVIなど)に集中して深く関わることができる上に、多くの指導医の下につくことで多面的に知識や技術を学び、吸収することができております。一方、夜間・休日業務として平日の夜間当直(週1回)、指導医との休日の日当直(月2~3回程度)があり、循環器疾患はもちろん当院は3次救急医療病院であることからホットラインの対応にもあたっております。そのため安定している心不全、不整脈患者だけでなく、心肺停止や蘇生後、ショック状態(心原性、非心原性問わず)の患者も頻繁に来られるため、プレッシャーや不安を感じることも多いですが、指導医のサポート体制が整っておりいつでも気軽に相談できる環境にあるため、まずはできるだけ自分で考え診療にあたり、困ったときはためらわずに指導医に相談するよう心がけております。
このように日常業務では患者背景や病態をコメディカル含めたチームで相談しながら診療に携わり、夜間・休日(緊急)業務では少人数(場合によっては1人)で迅速に判断し行動する力を身につけることができると考えております。1年経過した現在では、PCIや経皮的末梢血管形成術、ペースメーカ等デバイスの植え込み、電気生理学的検査(EPS)、その他多くの手技を指導医の先生方のご指導のもと行うことができております。多彩で豊富な症例を経験でき、循環器内科医として後期研修を行う病院としてとても魅力がある病院と考えております。
まだ若輩者であり先生方を始め、たくさんのスタッフの方に支えられながら日々の診療に携わらせていただいております。また至らないところがあり、他施設の先生方や開業医の先生方にはご迷惑をおかけすることも多々あるとは存じますが、精進してまいりますので、今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。