広島大学大学院 医系科学研究科 循環器内科学

教室紹介

  1. HOME
  2. 教室紹介
  3. グループ、研究紹介
  4. 私たちが力を入れていること

私たちが力を入れていること

最善の治療と治療に結び付く研究を!

IMG_3707.JPG

不整脈治療で力を入れていること

  • 頻脈性不整脈のアブレーション治療に力を入れており、治療成績が良いのが大きな特徴です。
  • かかりつけ医との連携を密にしながら、術後管理を厳重に行っています。
  • 致死的遺伝性不整脈(ブルガダ症候群・QT延長症候群・特発性心室細動)の診断・治療に力を入れています。
  • 他院では治療困難な、重症不整脈(心室頻拍など)のアブレーション治療も積極的に行っています。
  • 心室頻拍の新しい治療法の開発を行っています。
  • 重症心不全症例については、不整脈チームと他チーム・多職種が連携して、心不全管理、植込み型除細動器つき両心室ペースメーカー(CRTD)植込み、術後の至適化、心不全の集学的治療を行っています。

 

広島大学病院でのアブレーション数の推移
広島大学病院でのアブレーション数の推移
致死的不整脈の遺伝子診断と個別医療

致死的不整脈の遺伝子診断と個別医療円グラフ致死的不整脈の遺伝子診断と個別医療-@4h@o2

致死的不整脈の遺伝子診断を行い、治療に結び付けています。特にブルガダ症候群診断・治療では全国的にも定評のある施設になっております。

 

心室頻拍の新しいアブレーション治療方法の開発

新しいマッピング方法Last Detectionを考案

新しいマッピング方法Last Detection

今まで回路の同定が困難であった不整脈の回路の同定・治療が可能となった。

HD Grid+Auto Mapでより高密度・高精度なMappingが可能になり、通電時間・手技時間・成功率向上しており、これまで難しかった複数種類の心房頻拍(AT)や重篤性/難治性の心室頻拍(VT)といった症例も実施しています。

心室頻拍は従来のSubstrate modificationに加えて、AutoMapを用いたElextronicalmappingを追加したハイブリッドABLを実施しております。

VTElextronicalmappingVTtel

 

突然死リスクの臨床的・分子生物学的研究

  • 突然死の原因となる致死的不整脈の原因究明に繋がる研究を行っています。ハイリスク症例の選別方法を開発し、突然死予防を目指しています。
  •  H29年度- AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構) 難治性疾患実用化研究事業「診療に直結するエビデンス研究」でブルガダ症候群における心臓突然死のリスク予測モデルの構築と診療応用のための研究を広島大学が代表で多施設で行っています。(日本医科大学・国立循環器病センター・岡山大学・関西医科大学・滋賀医科大学・名古屋大学・名古屋第二日赤病院・筑波大学・大分大学)
  • 致死的不整脈の遺伝子(ゲノムDNA)解析・ RNA解析を行っています。
 
ブルガダ症候群について

ブルガダ症候群心電図青壮年期の心臓突然死の原因となる代表的な疾患

心電図診断が可能 (Type1ブルガダ型心電図・下/左図)

ブルガダ型心電図

植え込み型除細動器(ICD)を植え込むことで救命可能

植え込み型除細動器

無症候性ブルガダ症候群で突然死を起こすハイリスク症例を予測する方法がない

 

ブルガダ症候群における突然死リスクの層別化
突然死予測モデルの構築

失神歴といくつかの心電図指標を組み合わせた突然死予測モデルを構築したところ、10年間フォロー中にそのカットオフ値以下で突然死した症例は認めなかった。
現在、全国からブルガダ症候群症例を集めて更に精度の高いモデルを構築中である。

 

特発性心室細動の原因遺伝子について

SEMA3A遺伝子多型(I334V)と特発性心室細動

特発性心室細動の原因遺伝子

セマフォリン3A(SEMA3A)遺伝子の遺伝子多型(SNP)が突然死を起こす心室細動に関連していることを発見しました。

 

心房細動の臨床的・分子生物学的研究

  1. 心房細動による合併症(脳梗塞・心不全・認知症)を予防するために心房細動早期発見につながる研究を行っています。
    • 心房細動早期発見デバイス・アルゴリズムの開発について
    • 遺伝子リスクと臨床リスクを組み合わせた心房細動早期発見モデルの開発について
  2. 心房細動で心不全を合併する症例の早期発見について
    • 頻脈誘発性心筋症の関連遺伝子について
    • 心房細動の脈拍数に関連する遺伝子について
 
臨床背景と遺伝子背景を組み合わせた指標を用いた心房細動発症予測
arrhythmiagroup5A.jpg

症例毎に心房細動関連遺伝子を調べて遺伝子方面からのリスクを検討。
臨床的素因と組み合わせた発症予測モデルを構築すると心房細動発症を効率よく予測することが出来た。

 

HCN4遺伝子多型と頻脈誘発性心筋症
HCN4遺伝子多型と頻脈誘発性心筋症

心房細動で頻脈誘発性心筋症を起こす症例に、洞結節に発現するHCN4遺伝子のSNPが関与していることを報告。早期発見治療介入により心不全を予防できる。

広島大学プレスリリースhttps://www.hiroshima-u.ac.jp/news/46184. 2018年7月, EurekAlert!掲載、不整脈による心不全 DNA配列で見分け. 日経産業新聞, 2018年7月19日.
 

お知らせ

不整脈および高血圧疾患における遺伝子異常の検索へ参加いただいた患者さんへ

平成14年6月から令和2年2月までに広島大学病院及び共同研究機関にて「不整脈および高血圧疾患における遺伝子異常の検索」へ参加いただいた患者さんが対象です。

時代の進歩に伴い、本研究では、Brugada症候群、QT延長症候群症例について 次世代シーケンサーを用いて全ゲノムの解析を行うことになりました。全ゲノム解析とは、提供していただいた試料を用いてゲノム全体の塩基配列を調べることです。超高速に塩基配列情報を得ることができる次世代シーケンサーと呼ばれる装置を用いることで、一度にほぼすべてのゲノムの塩基配列を調べることが可能になりました。これにより、ゲノム全体から病気の原因となる遺伝子を探っていきます。

ただし、全ゲノムを調べるため、この研究で目的とする疾患と関連する遺伝子変異が明らかになるだけでなく、今はまだ罹っていない別の疾患を引き起こす遺伝子の異常が偶然に判ってしまうこともあります。したがって、遺伝情報の漏洩がおきた場合、就職や結婚、妊娠、保険における不利益など倫理的、社会的問題の生じる可能性があります。さらに将来、この解析データが個人を特定しうるものになる可能性も否定はできません。

このため、本研究により得られたデータが外部に漏洩することのないよう、格段の配慮を行います。また、今回得られた解析結果は本研究にのみ使用し、他の研究には用いません。ただし、提供者の同意が得られる場合には、不整脈および高血圧疾患に関連した他の研究などに利用させていただきます。その場合には、改めて倫理委員会の承認を受けた上で使用します。

上記内容に同意されない場合、あるいはもっと詳しく知りたいときや、わからないこと、心配なことがありましたら、遠慮なく下記までご連絡ください。
同意されない場合でも、その後の診療に不利益を受けることは、一切ありません。

広島大学病院 電話:082-257-555(2310)
研究責任者:循環器内科  教授   氏名 中野由紀子