広島大学大学院 医系科学研究科 循環器内科学

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画像・心筋症グループ

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診療実績

  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
心臓CT 637 585 735 804 845
心臓MRI 93 104 110 118 147
負荷心筋シンチ 331 394 328 287 239

 

CT

当教室は我が国における冠動脈CT研究のパイオニアとして活動してきました。当教室が主導した我が国初の冠動脈CT前向き多施設共同研究(PREDICT、冠動脈CTによる心血管イベント予測能を検討する多施設共同研究)により、CTによる冠動脈プラーク解析の臨床的意義を実証しました(下図, Yamamoto H, et al. J Cardiovasc Comput Tomogr, 2018)。長年培った経験を活かし、米国心臓CT協会(SCCT)の推奨に沿った冠動脈CTレポーティングと画像解析を実践し、高い読影レベルの維持と新たな知見の探求に努めています。
CT画像
CTグラフ

冠動脈CT

その他のCTを用いた研究としては、心臓周囲脂肪(心外膜下脂肪組織:epicardial adipose tissue[EAT])の解析に積極的に取り組んできました。

CT画像上のEAT容量の増加が冠動脈粥腫の進展や脆弱性と関連すること (Oka T, et al. Int J Cardiol, 2012; Kunita E, et al. Atherosclerosis, 2014; Tsushima H, et al. Circ J, 2015)、さらに心臓血管外科および分子病理学講座のご協力のもと、免疫染色やリアルタイムPCR法を用いた検討により、EATの炎症や微小血管新生、炎症性サイトカインの発現が冠動脈硬化と関連していることを見出しました(Kitagawa T, et al. Atherosclerosis, 2015; Senoo A, et al. Heart Vessels, 2018; Kitagawa T, et al. J Atheroscler Thromb, 2018)。EATの組織学的、分子生物学的変性が外側からの修飾因子として冠動脈硬化進展に寄与している可能性についてエビデンスを蓄積しております(右図)。

2020年4月からはCT画像から冠動脈血流の機能的低下を解析する技法(FFRct)の稼働を開始し、臨床での活用を推し進めるとともに、新知見の創出に取り組んでおります。
 

心筋シンチ

冠動脈疾患におけるリスクの層別化や血行再建術の適応判断に、虚血の有無は欠かせない情報です。心筋シンチはそのゴールドスタンダードとして確立している検査であり、広島大学病院では積極的に診療に心筋シンチ検査を活用しています。

本検査では、心電図同期解析を併用することにより、虚血範囲のみならず梗塞範囲、心機能、心形態を同時に把握することができ、臨床研究にも活用しています。

これまでに、胸部X線で確認した大動脈リモデリング(Kurisu S, et al. Ann Nucl Med, 2017; Kurisu S. Heart Vessels 2018)や冠動脈石灰化の進行(Nitta K, et al. Int Heart . 2019)と左室拡張機能障害が相関すること、心筋血流核種であるタリウムの洗い出しは、貧血や慢性腎臓病、心房細動(Kurisu S, et al. Nucl Med Commun, 2018)の影響を受けることなどを明らかにしてきました。ひき続き臨床での活用を推し進めるとともに、新知見の創出に取り組んでいきます。
 

MRI

広島大学病院では、心臓MRIで汎用されるgadolinium遅延造影では検出が難しいびまん性の心筋変性(炎症、線維化)を定量的かつ客観的に検出できるT1 mappingの施行が可能です。

非虚血性心筋症におけるT1 mappingの意義と有用性の検証を進めており、初期データにおいて心筋の平均T1値と心不全バイオマーカーとの相関性、心血管イベントとの関連性を見出しております(下図)。

当教室では、心臓MRIによって得られる様々なパラメータを用いた心筋性状評価を実行し、拡張型心筋症、心臓サルコイドーシス、心臓アミロイドーシス、ファブリー病などの心筋症、弁膜症や膠原病に伴う心筋障害の予後評価、治療介入に寄与するストラテジー構築に取り組んでおります。

MRI図
MRI画像

PET

当教室では、炎症刺激により活性化した石灰化病変を特異的に検出するPETトレーサー18F-フッ化ナトリウム(NaF)に着眼し、特定臨床研究として他機関(広島平和クリニック)と協調してデータ収集と解析を進めています。冠動脈CT上の脆弱プラークにおける18F-NaF集積を検証し (Kitagawa T, et al. Atherosclerosis, 2017)、冠動脈CTとの連携による18F-NaF PETのリスク予測能を世界で初めて実証しました(下図、Kitagawa T, et al. J Am Heart Assoc, 2018)。

最近では、大動脈弁石灰化における18F-NaF集積の臨床的意義を報告し(Nakamoto Y, J Nucl Cardiol, 2019)、さらに、EATのCT値と冠動脈プラークにおける18F-NaF集積の関連性を示すことでCTによるEAT解析と18F-NaF PETによる冠動脈解析の段階的な臨床活用を提案しました(Kitagawa T, et al. Eur J Nucl Med Mol Imaging, 2020)。

当教室は本テーマに関して国内随一の業績を積み上げており、国際的にも多くの科学論文にデータが引用されるなど、世界をリードする研究チームの一つとして活動を続けております。2019年には公益信託循環器学研究振興基金が設ける褒賞内田賞を受賞し、高い学術的評価を得ております。

PET画像PET図