広島大学大学院 医系科学研究科 循環器内科学

学生、入局希望の方へ

  1. HOME
  2. 学生、入局希望の方へ
  3. 後期研修体験記
  4. 板倉文乃(平成27年卒)庄原赤十字病院

板倉文乃(平成27年卒)庄原赤十字病院

後期研修期間 平成29年4月―平成31年3月 庄原赤十字病院
板倉文乃

平成27年広島大学卒業の板倉文乃と申します。この度は、このような寄稿の機会を頂きありがとうございます。この場を借りて、皆様に近況報告をさせて頂きます。

私は広島大学医学部を卒業後、広島大学病院で初期臨床研修を開始しました。たすき掛けのような形式で、2年目の9か月間は安佐市民病院でも研修をさせて頂きました。元々は、学生時代の臨床実習で心臓血管外科の開心術を見たときに、心臓の美しさに感銘を受け心臓血管外科を志していました。大学病院と安佐市民病院で研修をしていく過程で、循環器内科の先生方の働いている姿に憧れを抱くようになり、私も循環器内科医として心臓の治療をしたいと思うようになり、広島大学病院循環器内科に入局させて頂きました。

初期臨床研修終了後は、後期研修医として庄原赤十字病院で勤務させて頂いています。庄原赤十字病院は、広島県北部の中山間地域において、急性期から慢性期までの治療を行う“地域医療の砦”として医療に取り組んでいる庄原地域の基幹病院です。広大な庄原市唯一の総合病院として、「断らない」を理念に、24時間365日、年間約8,000件の救急患者を受け入れています。一方で、急性期の治療を終えた方や在宅・介護施設等から一時的に入院された方に対する在宅復帰支援のため、地域包括ケア病棟も設置しています。診療科も多数ありますが、今年度より産婦人科と精神内科の外来が新たに開設されました。地域住民のニーズに応えられるように、日々変化を遂げている病院であります。

庄原市は、広島県の北東部、中国地方のほぼ中央に位置し、東は岡山県、北は島根県・鳥取県に 隣接する“県境のまち”です。人口は、昭和35年は81,162人でしたが、以後減少が続いております。平成27年では、37,000人となっており、65歳以上の人口率が41.6%と高齢化が進んでいます。

循環器内科の日常診療としては、基本的には午前中は外来とエコーに分かれ、午後は全員で心臓カテーテル検査及び治療やペースメーカー植え込み術を行っています。私は、月曜日に循環器外来、火曜日に新患外来をしています。救急当番も週に2回あり、循環器疾患だけではなく、内科外科関係なく救急患者の初期対応にあたっています。また、月に2回は総領診療所に行かせて頂き、6月には学校検診にも行きました。当直は全科当直が月に2~3回あり、Walkinも救急車も病棟急変も、基本的には1人で対応します。循環器の病棟カンファレンスや、心臓リハビリテーションカンファレンス、内科全体での症例を検討するカンファレンスや、病院全体の>医師が集う医局会も月に2回あります。総合病院ではありますが、医師同士並びにコメディカルなど多職種との関わりが多い病院です。

循環器内科医としては、虚血性疾患・不整脈疾患・心不全等々、経験を積ませて頂いています。当院には心臓血管外科はないため、急性A型大動脈解離や大動脈瘤破裂などの外科疾患は安佐市民病院へ1時間かけて搬送します。加療されて外来へ戻って来られた時の安堵感はなんとも言えません。当院は人口減少もあり、症例数は決して多くはありませんが、その分最前線で加療にあたる局面を多く頂いています。緊張や不安もありますが、先生方の手厚いご指導・サポートの下、経験を重ねることができています。

まだ経験も浅く判断に迷い時間がかかることもあります。迷惑をかけることも多いと思いますが、周囲の方々のサポートや患者さんのおかげで、貴重な経験を積むことができています。循環器内科に入局してよかったと日々実感しております。同門会の先生方、今後ともご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。