広島大学大学院 医系科学研究科 循環器内科学

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柏原彩乃(平成28年卒)広島赤十字・原爆病院

後期研修期間 平成30年4月―令和2年3月 広島赤十字・原爆病院
柏原彩乃

平成30年度に入局させて頂きました柏原彩乃と申します。

私は山口大学医学部を卒業し、地元である広島に戻り、JA尾道総合病院で初期臨床研修を行いました。私は熱意溢れる先生方や様々な患者さんと出会い、全身を診る科、急性期から慢性期まで携わることのできる科と感じた循環器内科に面白さを感じ、志す事を決めました。この度、同門会誌への寄稿の機会を頂戴しましたので、大変恐縮ではございますが近況報告をさせて頂きます。

現在は後期臨床研修医として広島赤十字原爆病院で勤務させて頂いております。当院は広島市中区に位置し、地域の中核病院としての役割を担う31診療科565床の病院です。当院の特色の一つは血液内科を含む多診療科が充実しており、担癌患者も多く、循環器領域では虚血性心疾患、不整脈疾患のほか二次性心筋症関連の症例など多岐にわたる幅広い疾患を経験する機会を頂いております。心不全、失神精査などもコンサルテーションを多く頂きます。現在は、経験豊富な先生方に相談し、助言を頂きながら、主治医として自分の考えを実践でき、また様々な症例を経験させていただける非常に恵まれた環境だと感じております。

当院で施行できない治療や判断に難渋する症例に関しては近隣の病院の先生方に度々御相談、御紹介させて頂いており、大変お世話になっております。

私は毎朝、初期研修医、病棟看護師とともに救急症例や心電図を振り返る勉強会に参加したのち、入院患者のカンファレンスを行い、週一回は抄読会を行い、一日が始まります。日中は急患対応や超音波検査、核医学検査、運動負荷心電図検査、心臓リハビリテーション、冠動脈カテーテル検査、ペースメーカー手術などを行っており、時にカテーテルアブレーション治療も勉強させて頂いております。日々目の前の事に精一杯ですが、充実した日々を過ごしております。

私は週一回外来診療を担当しております。患者さんの背景、性格、経緯を把握することに最初は難渋し、また限られた時間で診療しなければならず、難しさを感じます。しかし、患者さんを継続して診る事ができ、また外来で元気な姿を拝見できるのは楽しみでもあります。また、当院では医師、病棟看護師、退院支援看護師、理学療法士、薬剤師、ソーシャルワーカーなど多職種合同で心不全カンファレンスを行っております。様々な視点からの意見を聞くことにより、治療方針、生活指導、再入院予防など私自身が気づかされることも多く、まさにチーム医療を感じられる場です。今後も様々な職種の方とコミュニケーションをとるように心がけていきたいです。

循環器内科医として駆け出したばかりで判断に悩む事が多く、力不足を痛感する事も多いです。循環器ならではの救命に関わる緊迫した場面や、刻一刻と循環動態が変動する中で冷静な判断を迫られる場面も経験します。また高齢かつ併存疾患を有する患者さんが多く、特に慢性期の患者さんとの関わりは標準治療に沿うだけでない最善の治療、ケアを模索していく難しさも感じます。多忙な中でも常に弛まぬ勉強を積まれていらっしゃる私の上級医の先生を目標に、今後も診察力、診断力、手技を磨くべく努力を続けたいと思いま
す。

周りの方々に感謝しながら、そして一人ひとりの出会いを大切にし、一症例ずつを糧にしながら、これからも日々診療に携わりたいと思っております。未熟者ですのでまだまだ至らない点が多く、ご迷惑をおかけする事があるかとは存じますが、今後とも御指導御鞭撻を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。