遺伝性不整脈
心筋細胞のイオンチャネル(イオンの流出入を司るポンプ)が遺伝子変異により機能障害をきたし発症する疾患の総称です。先天性QT延長症候群、QT短縮症候群、ブルガダ症候群、早期再分極症候群、カテコラミン誘発多形性心室頻拍、進行性心臓伝導障害、特発性心室細動などが含まれます。
症状
心室頻拍や心室細動などの不整脈を発症し、動悸、めまい、失神などを呈し突然死に至ることがあります。一方長期にわたり無症状で健康診断などで心電図異常を指摘されたり、家族が診断され本人の診断に至るケースもあります。
診断およびリスク評価
12誘導心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図、薬物負荷心電図などを行い診断します。併せて致死性不整脈の発症リスクを評価し、個々のケースに応じて生活指導、薬物治療、カテーテルアブレーション、植込み型心臓デバイスなどの治療を行います。
原因となる遺伝子変異の解析が進んできており一部の疾患では陽性率が高く、遺伝子検査が診断や予後予測に有用な場合があります。当院では突然死の原因となる遺伝性不整脈の遺伝子検査を積極的に行っています。
当院では特にブルガダ症候群患者さんの突然死予防に力を入れており、新たな予測モデルを使用してリスク予測をしています。