経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI / TAVR)
TAVIの対象となる患者さん(大動脈弁狭窄症とは?)
大動脈弁狭窄症とは大動脈弁の開きが悪くなり、心臓から全身に血液を十分に押し出せなくなる病気です。
原因としては、リウマチ性心疾患のほか、近年では加齢に伴う弁の変性によるものが増えています。大動脈弁狭窄症は徐々に進行することが多いため、80代になってから症状が現れる方がおられます。
大動脈弁狭窄症の代表的な症状として胸痛や失神、軽労作や安静時での息切れの3つがあります。急激に症状が進行し、突然死に至る場合がありますので、まず精密検査をすることをお勧めします。現在のところ透析されている方はTAVI治療を受けることができません。
経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI)
重症の大動脈弁狭窄症に対してカテーテルを使って人工弁を留置する新しい治療法で、低侵襲であるため、体への負担が少ないことが特徴です。
高齢の患者さんや、何らかの疾患により外科的大動脈弁置換術がハイリスクと判断された患者さんが対象の治療法です。折りたたんだ生体弁を装着したカテーテルを挿入し、心臓の中まで運びます。大動脈弁の位置に到着すると、生体弁を広げて留置します。広島大学病院でも2015年10月よりTAVIを開始しています。
[写真:TAVI生体弁 エドワーズ社 メドトロニック社提供]
大腿動脈アプローチ | 心尖部および大動脈アプローチ | |
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2015年 | 3 | 1 |
2016年 | 11 | 3 |
2017年 | 37 | 4 |
2018年 | 36 | 1 |
2019年 | 52 | 9 |
2020年 | 60 | 3 |
2021年 | 87 | 2 |
2022年 | 96 | 6 |
研究内容
症例報告 Suminoto Y, Fukuda Y: Delivery Balloon Rupture During Transcatheter Heart Valve Alignment Procedure in Extreme Descending Aorta Tortuosity, J Cardiol Cases. 2019 Sep 4;20(6):197-199.TAVI前後における交感神経活性の変化を研究しています。